【感想】モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イヴ(ネタバレ)

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『不条理な殺人』というミステリーアンソロに収録されていた一編です。


長く勤めていた葬儀屋を退職し、出版したデビュー小説がベストセラーになったモルグ氏。富、名声、恋人、作家仲間(友人)、とこれまでの人生にはなかった多くのものが手に入りました。ですが、ひとりの男の登場により全てが狂っていく、というお話。ミステリーではないですね。
初っ端からなんというか、ブラックでした。ひとり、またひとりと死んでいき、彼の家に死体が積み重なっていく様は、かつて勤めた死体処理場に戻っていくかのようです。
訪ねてきた旧友が「心中しようぜ!」と毒をワインに仕込んだのがすべてのフラグでしたよね。それを全力で回収していくモルグさん、ほんともうギャグです。プロポーズ予定だったキャサリンが拳銃自殺したとき、モルグ氏の中で何かが切れちゃったんだろうなと思います。彼女と素敵なイブを過ごす邪魔をされたくなくて、事実を隠蔽したのに、その恋人が死んでしまったんだから。
最後、モルグ氏を訪ねてきた作家仲間を道連れにしようと毒入りワインで乾杯しているのは、結局、旧友と同じようなことをしているってことですよね。最後のモルグ氏の言葉がいい感じに皮肉です。

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