【感想】金のロベリア①

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金のロベリアとは、両片思いをテーマとしたアンソロジーです。
加えて「強い女性」「滅び」が縛りのテーマとなっています。
※両片思いとは、思い合っていても理由がありなかなか結ばれない状態のことです


以上、公式より引用。
コミティアで頒布されたアンソロジーです。


感想は読んだ順に書いてます。
ランダム読みと見せかけての魔女読みです。
ネタバレしてます。

金のロベリア感想②
金のロベリア感想③


13の魔女と世界の扉

叔父さん、というとなんだか恰幅のいいおっちゃんとか想像しちゃうんですが、美形お兄さんでしたか……ほほう。
マナの願いを聞いて、最初のシーンに戻って、なるほどそういうことかと膝を打ちました。ユルギさん良いように扱われてるなーなんて。微笑ましい。個人的な好みで言えばユルギさんが圧倒的ナンバーワンです。尊大で古風な喋り方&わりと面倒見がいいとかどんだけ美味しいんですかあなたは(ここでエバグリのメリルが一番好きだったことを思い出した。昔から趣味は変わってないようだ)
叔父さんがハッピーエンドに拘る理由、それはきっと「こう在ってほしい」という願望なんだろうなぁ。切ないなぁ。二人の間に芽生えた感情が、誰にも邪魔されることなく続けばいいなと思います。
ところで「13の魔女」の設定にときめきを禁じえません。世界を破壊かぁ……廃棄王女とか好きだったなぁ。
とにかく私の過去の趣味遍歴をなぞられてるような萌の連続に息も絶え絶えです。
しかも初登場シーンは拘束されて仮面とかとんだフェt(言葉はここで途切れているようだ)


落園愛歌

たつみさんとは前世で双子だったのかなって思うくらい、好みやモチーフが似てる気がしてならない。

テーマ的に仕方ないかもしれませんが、切ない。まさか主人公が。。。セアラさん、安心してください。彼は煉獄なんか飛び越えて一発地獄落ちだと思います。「裏切り」とは最下層のコキュートスに落とされる、最も重い罪です。
「貴方の1になりたかった」の破壊力がとんでもないことになってます。53万くらいかな。もちろんフルパワーで来てますよ、ええ。それを相手が聞き届けることなく逝ってしまうのもまた、涙です。いや、きっと最期くらいは聞く耳を持ってくれたんじゃないかなと、残された微笑みは、互いの想いがようやく通じあった証なのではないかなと、思います。
最後の悲劇までたどり着いたとき、ふと『水の魔物』に暗いものを感じるのは私だけでしょうか。作中の設定云々ではなく、作者さんからの暗示のような気がして。最初から『水』が敵であると示されているのですよね。きっとこれは意図的なものなのでしょう。
残されたカノンとヴァンが、せめて何も知らずにいられることが救いに思います。タイトルが「哀歌」ではなく「愛歌」なのは、それぞれの「愛」を描いた物語だからこそ、でしょうね。


とある魔女の結婚物語

肉親の葬儀で泣けずに周囲から疎まれる…というのは、私の好きな某ゲームのごんぶとな方にも見られたエピソードで(またゲームかよ)、でも彼女には理解者たる心の拠り所が存在していたのですよね。

翻ってアステールですが、想い人には距離を置かれ、周囲からも蔑まれ、挙句には仕えるべき王にまで軽く扱われて。そうした仕打ちを受け入れているよう振る舞っていても、頻繁に腹を立ててる様を見るに、やはり相当な無理をしていると感じます。
後半、セリニがアステールを想って身を引いていた事実に、それでもやっぱり近くで支えになってあげる道を選んで欲しかったと思わないでもないのですが、そこは「あっ、テーマ」ですね。お互いがお互いのためを想って、間違ったベクトルへ進んでしまう切なさは、なんとも言えません。きっとアステールが聞いた「お前、変だぞ」という言葉も軽蔑ではなくて、心配してくれていたのではないかなと思いました。長い時間の中で、思い込みが真実とすり替わってしまったのではないかと。
ラストは晴れ晴れとしたみんなの顔が浮かぶようで。そもそもこの国王、自分の家臣を公然と侮辱する度し難い愚か者で、ああこんな王を戴く国は、そりゃやがて滅びるだろうなぁと思って読んでいたのですが、誰もかれもが見捨てて行く結末に一種の清々しささえ覚えました。


緑の魔女と紅の魔法使い

これは物語としてはまだ続きがあるな、というのが読後の第一印象で、あとがきを拝見して納得。長編の一部、というところなのですね。
二人の会話が終始楽しげ。会話に限らず、地の文の単語ひとつ取ってもあえて軽い調子や「平凡」なものを選んでいるんだろうな、と、薄暗い世界観などないように振る舞っているのも面白いです。けれど不毛の地を作り出す魔術というのはやはり物騒。それは冒頭の、おそらく過去の戦だろう光景に、明確にあらわれているのではないかなと思います。
ときに、ヴィーは残念イケメンっぽいですね。プレイボーイってやつでしょうか。そんな彼に惚れてる様子のアンリさんは苦労しそうです。いや、気づいてもらえない系の苦労ではなく、むしろ押しの強さ、作中の言葉を借りるなら「思慕」の強さに、いずれ誤魔化しが効かなくなるのではないかなぁと。



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