【感想】仮面病棟(ネタバレ気味)

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知念実希人氏の医療ミステリ。

療養型病院にピエロの仮面をかぶった強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。先輩医師の代わりに当直バイトを務める外科医・速水秀悟は、事件に巻き込まれる。秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る――。そして「彼女だけは救いたい……」と心に誓う。閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。迎える衝撃の結末とは。


あらすじ。公式より引用




医療ミステリはバチスタを読んだのが最後だったかもしれません。でもこういうのはわりと好きなんですよね。
とりあえず最初に毒を吐くと、主人公とヒロインの愛美がうーんどうかなーという感じでした。同じことをインシテミルのときも思ったけど、あれは最後まで「サムい演出」という感想のまま終わった(意味があったのだとしても、それを汲み取れなかった)
本作では極限状態だったし、仲が良くなるのは当然かしらと。それに多少過剰に描くのもラストに必要な演出だったと思います。
ただ唐突な「愛美!」呼びはちょっと笑ってしまいました。先生若いよ。


筋書きは最初に書いたとおりで、クローズドサークルもの。
徐々に外堀を埋められていく感があり、少しずつ真相に近づいていく流れは淀みなく、キャラクターに好感が持てないことを抜いても楽しめるものでした(まだ言う)
伏線が回収されていく過程も「なるほど~」と。でもあの犯人は……ねぇ。別に不自然というほどじゃないけど、不意打ちすぎない? お前誰だよってなりました。序盤にちょろっと出てきただけじゃんね。宿直変わった先生を疑ってました。
そんな猜疑心の塊だったので、本当に最後のオチは、ちょっと想像してなかったので、びっくりです。あんまり言うとネタバレになるので、言えませんが。
いえ、きっとよく考えれば分かることだと思うのですが、あまり考えて読まないタチなので。主人公が作中で「そういえばxxはどうなってるんだ……」となったとき、私も一緒に「そういえば、そうね」と思ったくらいなので。
ハッピーエンド、とはとても言えない悲劇的な結末でした。
誰も救われてませんね。悲しいことです。


ものすごい驚きのある話ではなかったのですが、知識に裏打ちされた非常に安定感のある作品でした。
文庫価格なら良いんじゃないでしょうか。千円超える単行本だとうーん、ですが。

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